【10代後半の女子大生が睡眠指導を受けた結果】(日本睡眠学会第46回定期学術集会一般演題より)

カテゴリーお知らせブログ睡眠

2021/10/09

みなさんこんにちは!アスリートやプロスポーツ選手を目指す学生中心に睡眠指導および睡眠管理をしておりますOfficeS4S代表の松本光浩と申します。最近では事業拡大からの法人化を目標として、スポーツだけでなくさまざまな睡眠に関連する課題への取り組みを行なっています。

今回も日本睡眠学会の定期学術集会一般演題より投稿します!

ここ数日はスポーツ選手やアスリート学生を対象とした研究を取り上げることがほとんどだったのですが、今回は女子大生を対象とした研究を取り上げたいと思います。

題目は「学校での睡眠衛生指導により改善した睡眠・覚醒相後退症候群の⼀例」

睡眠衛生指導とは、今回の研究では下記のようなものです。

「睡眠衛生のための指導内容」
① 寝室環境:快適な就床環境(遮光カーテン等)。
② 規則正しい⻝⽣活:規則正しい⻝⽣活(空腹で寝ない、眠前の軽⻝、消化悪いもの×)。
③ 就寝前の水分:就寝前に水分を取りすぎない。
④ 就寝前のカフェイン:就寝の4時間前からはカフェインは摂らない。
⑤ 就寝前のお酒:眠るための飲酒は逆効果。
⑥ 就寝前の喫煙 :夜は喫煙を避ける。
⑦ 寝床での考え事:昼間の悩みを寝床に持っていかない。
⑧ 定期的な運動 :適度な有酸素運動で寝つき改善、睡眠が深くなる。

結果からすると、簡単に言うと今回指導を受けた女子大生は早寝早起きの習慣に近づいたというところです。


睡眠衛生指導により、生活のリズムと睡眠の改善につながった睡眠・覚醒相後
退症候群の症例を今回はあげていますが、非常に有益な結果なのではないかなと思います。

また、考察には「睡眠衛生指導に加え、面談を繰り返すという「かかわり」が、睡眠覚醒リズムの改善への動機づけになった可能性も考えられる。」と記載されていますが、誰かと関りを持つことでこのような改善につながったと考えると、一般的にはこのように面談をすることは難しいので、友達なんかと睡眠改善のコミュニティ形成ができればいいのかなと思いました。

気になる点としては、実験後はどうなったのか、です。
これが結局一時的なもので、再度後退してしまえばとてももったいないことだなと思います。

女子大生に然り、大学生は人生の中でも大人に変わるタイミングで、非常に好奇心をそそるものや誘惑が多くあります。

睡眠衛生指導に加え、どれだけこの年代に睡眠をしっかりととることが大切なのかを教えることが必要だと思います。

コロナ禍で外出自粛の状況になったので、最大の睡眠リズム後退の敵は「スマホ」だと思います。

今やいつ何時もコンテンツを視聴することができ、これほど便利なものはないのですが、ここの観点から見るとそれは大きな弊害ともいえるでしょう。

何かこのあたり上手いことして、生活リズムの調整ができるような施策ができればいいのですが・・難しいですね。

他にも日本睡眠学会の一般演題について取り上げていますので、こちらからぜひご覧ください!

OfficeS4S 代表
睡眠指導者 松本

【高校サッカー選手の睡眠改善は反応時間や心理面を向上させる?】(日本睡眠学会第46回定期学術集会一般演題より)

カテゴリーお知らせブログ睡眠

2021/10/08

みなさんこんにちは!アスリートやプロスポーツ選手を目指す学生中心に睡眠指導および睡眠管理をしておりますOfficeS4S代表の松本光浩と申します。最近では事業拡大からの法人化を目標として、スポーツだけでなくさまざまな睡眠に関連する課題への取り組みを行なっています。

今回も日本睡眠学会定期学術集会からです!

ここ数日大学生を対象として研究をいくつか挙げている中ですが、今回は高校生を対象とした研究です!

高校サッカー部の選手に対して、睡眠改善がどう影響するのかというもの(高校名は非公表でした)

ちなみに題目は
「睡眠の改善が高校サッカー選手の単純反応時間の短縮及び心理面を向上させるか」

反応時間とは情報処理能力の指標としてとても有効なものです。
情報処理能力はサッカーに限らず、スポーツでとても大切ですよね!
以前大学生を対象としたスポーツ(主にサッカー)の能力を評価するものにも取り上げているので、そちらもご覧ください!

反応時間においては、先行研究で
3時間睡眠より7時間睡眠、7時間睡眠より10時間睡眠と、睡眠時間が増えることで早くなるということが出ています。

また、心理的負荷が大きいほど、反応時間の平均値、最大値が遅延するという結果が出ています。

今回の研究では20名が対象となり、3週間を用いて高校サッカー部で実験しました。たしか睡眠負債は大学生の場合ですが、3週間では足りなかったという考察が・・・(その研究はこちらから↓)

睡眠改善することにより、落ち込み気分などを評価する得点の改善が見られました。反応時間も短縮の傾向が見られたようです(睡眠改善して逆にパフォーマンスがよくならなかったらどうなるのか...笑)

考察では、高校生(サッカー部)において、睡眠介入は覚醒状態の向上および、注意機能向上を図ることができ、単純反応時間の改善につながる。
その結果スポーツパフォーマンスが上がり、試合に勝つことができる!

とのことです。

睡眠トレーニングの重要性という単語が最後のスライドに出てきたのですが、僕の見解からすると、わざわざ睡眠をトレーニングすることは必要ないかなと感じます。

この研究も、睡眠介入や睡眠改善が具体的にどのようなものか提示されていなかったのですが、睡眠をよくするために、トレーニングと呼ぶような負荷をかけるものを実施するのは、不眠症状のある方であったり、何かしらに問題を抱えていて、少しの改善では満足のいく睡眠がとれない方のみで十分だと思います。

高校生のサッカー部に必要だと感じるのは

・睡眠時間の延長
・睡眠環境の改善
・適切な時間の食事摂取
・適切な時間の入浴
・睡眠習慣の整備(寝る前の電子機器制限)

これくらいで十分です。というか、これができるところも少ないと思います。
まぁ、おそらく今回の睡眠改善も最後の項目の電子機器制限あたりは入っているんじゃないかなと思いますが、このあたりをしっかりと教育することがとても大切になります。

あとはスマホの楽しみに、睡眠の重要性が勝てるかどうかです。
サッカーが上手くなるより、YouTube見てた方が面白いと思っていたら、睡眠改善はできません。

どれくらい睡眠が大切で、寝る前のスマホをやめることでどれだけサッカーの上達に近づくのか、それをどのように育成年代に伝え、納得させることができるのかが、今後大切になってくると思います!

他にも一般演題から記事を投稿しているのでぜひご覧ください!

OfficeS4S 代表
睡眠指導者 松本

【大学生アスリートの睡眠時間を延ばすと?】睡眠不足の大学生アスリートの睡眠時間を延ばした研究から(日本睡眠学会第46回定期学術集会一般演題より)

カテゴリーお知らせブログ睡眠

2021/10/07

みなさんこんにちは!アスリートやプロスポーツ選手を目指す学生中心に睡眠指導および睡眠管理をしておりますOfficeS4S代表の松本光浩と申します。最近では事業拡大からの法人化を目標として、スポーツだけでなくさまざまな睡眠に関連する課題への取り組みを行なっています。

今回も日本睡眠学会第46回定期学術集会の一般演題からです!
今回の発表の題目は「睡眠不足を有する大学生アスリートにおける夜間睡眠時間の延長が日中機能に及ぼす影響について」です。

ちなみにアスリートの実施しているスポーツは今回の研究ではサッカーでした。

「睡眠不足を有する大学生って...」経験上大学生=睡眠不足じゃないんですか笑
☝こんな状態があってはいけない事なんですけどね(笑)

冗談っぽく言いましたが、どうでしょうか。とても名の知れた大学出身というわけではないので、大学時代を想起すると、いかに授業中に寝れるかを考えていたし、講義室の机に突っ伏している人の割合は高かったし、講義室の裏のスペースには、バッグを枕にして寝っ転がっている学生が必ず一人はいました。

当時はそれが当たり前だとは思っていましたが、今思えば学生の睡眠不足が露呈している光景ですね。

今回の実験は平日の睡眠時間が7.9時間以下の人を対象としています。7.9時間とは先行研究で学生アスリートに必要とされている時間ということでした。

学生で7.9時間寝るべきだとは思うんですけど、自分はどうだったか考えると、「そんなに寝てたかな...」という感じです。

結果自体は、約20分程度の睡眠時間の延長があり、睡眠時間を延長しなかったグループと比較すると、身体的健康度は改善されたという結果でした。

認知機能も検討していましたが、3週間では日中機能を戻すには不十分という結果になりました。
学生の睡眠負債は3週間では取り戻せないくらい大きいということが示唆されています。

僕が講義をしていて良くこの話題も盛り込むのですが、睡眠とスポーツを繋げた研究の中で、必ずといっていいほど上がる研究が「スタンフォード大学のバスケ部の研究」です。

特にスポーツ団体への講義ではこれを盛り込むようにしています!
大人から育成年代までスポーツチームへの講義を行なっております。

睡眠時間を延ばしたらバスケの成績が上がったという研究なのですが、これは1か月半実験期間がありました。
この研究を上げるときにも必ず期間について触れるようにしていますが、睡眠負債を取り戻すには、ある程度の期間を有するということが、改めてわかったというところですね。

考察では、睡眠時間延長により、身体的健康度の改善はするが、認知機能の改善は認められないとのこと。(まぁ、そうだろうなっていう感じですね)

この研究を見て、そうだよなっていう感じが多かったのですが、それ以前に大学生がこれだけ睡眠不足が当たり前となっていることをどうにかしないといけません。

今はオンライン授業がある程度普及してしまっていると思いますが、各大学が授業中どのくらい眠ってしまっている生徒がいるのかチェックしたいものですね!

その他の一般演題の記事につきましてはこちらからご覧ください!

OfficeS4S 代表
睡眠指導者 松本

【寝ている間に名前を呼ばれると?】睡眠段階2(N2)のKコンプレックスについて(日本睡眠学会第46回定期学術集会一般演題より)

カテゴリーお知らせブログ睡眠

2021/10/06

みなさんこんにちは!アスリートやプロスポーツ選手を目指す学生中心に睡眠指導および睡眠管理をしておりますOfficeS4S代表の松本光浩と申します。最近では事業拡大からの法人化を目標として、スポーツだけでなくさまざまな睡眠に関連する課題への取り組みを行なっています。

 今回も日本睡眠学会の定期学術集会一般演題について投稿します!

今回の研究発表は少し内容が難しいので、本編の内容をかいつまんで
そのあたりの内容についてお話したいと思います!

睡眠の4ステージ

まず睡眠についてですが、知っているかたも多いと思いますが
「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」があります。

そのうちの「ノンレム睡眠」の中に「浅い睡眠」と「深い睡眠」があるのですが、4つの段階「N1-N4」まで分けられます。

このうちのN3とN4は「徐波睡眠」と呼ばれていて、深い睡眠のことを指します。と、このあたりの説明はこれくらいで。

今回の研究はこのうちの「浅い睡眠」にあたる「N2」についてです。
睡眠全体の50%を占めるこの睡眠段階2には運動機能向上などを促進する役割があります。

この部分について、僕が主催する睡眠講義でたまにお話するのですが、この睡眠段階2の中には「Kコンプレックス」というものがあります。

脳波がぴくんとする感じです。
※詳しい説明は割愛

この時に意識はないのですが、睡眠が浅くなっているということです。
スマホはできれば通知オフもしくは寝床から話してくださいという説明をするのですが、このスマホのバイブ音などで浅くなるというお話を良くしています。
これは睡眠専門医渥美先生から学んだことを引用しています。

この研究ではないのですが、睡眠段階2の時に名前を呼ばれると、このKコンプレックスが出るのですが、他の人の名前を呼ばれるより、自分の名前を呼ばれる方が浅くなる傾向があります。

おそらく、人間の本能てきな部分が関係しているのかな?
名前を呼ばれる=身に危険が迫っていると脳が判断して覚醒状態に近づくという所でしょうか。

これを上手く活用するのであれば、起きるときに声をかけるのであれば名前を呼ぶことが有効的ですね!

逆に睡眠中であればこれを避けて通れば深い睡眠まで睡眠を維持できるということになります。

実際にこの研究では、この睡眠段階2を前半区間と後半区間に分けて、Kコンプレックスの波の種類からその過程を検討するというようなお話です。

なかなか難しいですよね。
研究者の方にはこのような難しい内容を日々研究していただける方がいるので睡眠科学や睡眠医学も日進月歩の成果を残しています。

僕は研究者ではないので、尊敬していますし、敬意を表しながらより多くの方に伝えたり、それを活用できるようなことをしていきたいと思います。

他の投稿もぜひご覧ください!

OfficeS4S 代表
睡眠指導者 松本

~より良い寝具を届けるために~マクアケ開始までの現時点

カテゴリーお知らせブログ睡眠

2021/10/05

みなさんこんにちは!アスリートやプロスポーツ選手を目指す学生中心に睡眠指導および睡眠管理をしておりますOfficeS4S代表の松本光浩と申します。最近では事業拡大からの法人化を目標として、スポーツだけでなくさまざまな睡眠に関連する課題への取り組みを行なっています。

先日こちらで寝具をマクアケにて先行販売しますと投稿しました!

2つめの投稿では、サンプルの到着次第で撮影を開始と書いているのですが、実はもう少しアイテムに工夫を加えようと思いまして、少し時期がずれ込む可能性が出てきました。

まぁ、仕方ないですね。自分の寝具を売るとなると、思い入れがでてきますし、妥協した商品を世の中に出したくないですからね!

ちなみに販売する予定の商品ですが
決して安いものではありません。できればコストを抑えたいとも思ったのですが、こだわると。。という感じです。

でも、これくらいの金額を出しても買おうと思えるような商品になることは間違いないですし、自分でも「これは買いだな」と思えるような仕上がりになると思います!

(とはいえめちゃくちゃ高いかといわれるとそんなことはないですが(笑)

今回この商品を開発する経緯としては

まず初めには「寝具を作ろう」となってから「なんの商品にしよう」となったのではなく、こういうのがあったらいいな!というものが思いついたからです。

職業柄そして経験から、結構いろんなメーカーの寝具を知っていますし、それぞれの良さも知っているので、おすすめがあるのですが、この視点(新しい商品)からのオススメはあまりないなと感じています。

これからの季節にもピッタリです!
間に合うように引き続き頑張りたいと思います!

OfficeS4S 代表
睡眠指導者 松本

大学生の食事と睡眠の関係性の調査から感じる事(日本睡眠学会第46回定期学術集会一般演題より)

カテゴリーお知らせブログ睡眠

2021/10/04

みなさんこんにちは!アスリートやプロスポーツ選手を目指す学生中心に睡眠指導および睡眠管理をしておりますOfficeS4S代表の松本光浩と申します。最近では事業拡大からの法人化を目標として、スポーツだけでなくさまざまな睡眠に関連する課題への取り組みを行なっています。

本日も日本睡眠学会第46回定期学術集会の一般演題の内容から投稿させていただきます!

今回は「大学生×食事×睡眠」

まず、前置きとして睡眠で休息がとれていないと感じる方が20%を超えています。
日本では5人に1人は睡眠に不満を抱えていると言われています。

有名なところでは、先進国の中で日本が一番睡眠時間が短いと言われています。
今回の調査対象は大学生で、大学生における身体的・精神的・社会的な健康度は学の単位の取得にも関わってきます。

また食事に関する調査については、3割弱の方が朝食をほとんど食べないと回答しました。

欠食の理由は「もっと寝ていたい」が多かったようです。

また栄養面に関しては6割近くの方が栄養を気にしていないという回答でした。

調査結果

大学生において、男女ともにタンパク質・ミネラル・ビタミンが足りていないのに対して、脂質は高いことがわかりました。

食事の結果は季節を問わずでした。

今回の研究は睡眠調査を2つ実施していて
PSQIとOSA-MAというものでしたが、とても簡素に説明すると

客観的に睡眠を評価=PSQI
主観的に睡眠を評価=OSA-MA

と今回は覚えておいてください。

その睡眠調査と食事の結果を比較したところ
客観的な指標に関しては、睡眠に問題がある方が、炭水化物やエネルギーの摂取量が多く、摂取量が多いのが睡眠状態を悪くする可能性が考えられたのに対して

主観的な調査だとその逆の、エネルギー摂取量が多い方が熟眠感が得られている可能性が示唆されました。

男子は今回は有意差が見られず、性差があるのかが今後の検討です。

この調査を通して注目したいポイントは単純に「大学生」というポイントです。
僕が睡眠に興味を持ったのも大学生ですし、その理由のひとつとして、自分も睡眠を蔑ろにしてきたからということが挙げられます。

というより、何か睡眠障害を抱えない限り、大学生という状況下で睡眠についてしっかりと考えよう。と思う方がこのご時世難しいのではないかなと思います。

大学生は本来、専門的に学問に対する知見を深める場所だと思いますが、なかなかその志を持って進学をする人は少ないのではないかなと思います。(もちろんしっかりしている方も多いですので、あくまでも僕が育った環境では・・・と解釈していただければ幸いです・・・)

サークル・部活・授業に加えてアルバイトを始める人も多いでしょう。
時間に融通が利き、「睡眠」どころではないのではないでしょうか。

この認識をどうにか変えていくのが僕の仕事だと思いますし、高校までにある程度の睡眠衛生学の知識は教育していかなければいけないと思っています。

さて、今回の食事との関係性の研究ですが、ここに関しては難しいことを考える必要はないのかなと思っています。

主観的な評価と客観的な評価が違えど、身体にいいものを食べて睡眠に悪影響を及ぼすことはないと思っているからです。

睡眠・運動・栄養の3項目の中で一番僕の知識が少ないのはおそらく栄養だと思います。それも理由があり、わざわざ僕が栄養に詳しい必要はないと感じるからです。もちろん一般の方よりは専門的な領域で学んでいますし、大学でも当時はトレーナーとしても働いていたので、ある程度はありますが、睡眠の勉強をしていく中で、「睡眠にいい食べ物=からだにいいもの」がほとんどだったからです。

ファストフードのハンバーガーが良質な睡眠のかぎともなれば話は変わってきますが、そんなわけないのです。笑

性差の検討なども大切ですが、まずは睡眠衛生の知識をしっかりと教育して
いろんなことに時間を使ってしまい、「朝もっと寝たいから朝食を欠食する」という3割の方の意識を変える方が急務なのではと感じています。

その他日本睡眠学会定期学術集会による投稿はこちらからご覧ください!

OfficeS4S 代表
睡眠指導者 松本

【好きなにおいで悪夢を見る?!】REM睡眠と匂いの好き嫌いについて(日本睡眠学会第46回定期学術集会一般演題より)

カテゴリーお知らせブログ睡眠

2021/10/03

みなさんこんにちは!アスリートやプロスポーツ選手を目指す学生中心に睡眠指導および睡眠管理をしておりますOfficeS4S代表の松本光浩と申します。最近では事業拡大からの法人化を目標として、スポーツだけでなくさまざまな睡眠に関連する課題への取り組みを行なっています。

今回も日本睡眠学会第46回定期学術集会一般演題より、面白そうな研究を紹介します!
この研究は筑波大学の研究です。この研究自体は実は一年前に筑波大学の阿部先生からお話を少し聞いたいたので、すんなりと頭に入ってきた面白い研究です。

REM睡眠中の嗅覚刺激呈示による夢への効果―嗅覚刺激の感じ方の個人差に着目した検討―という題目ですが、もっとわかりやすくすると

「好きなにおいと嫌いなにおいで、夢がどう変わるの?」
ということです。

先行研究だと、バラの香りをレム睡眠中に嗅いだグループは夢が心地よいものとなり、腐った卵のにおいを嗅いだグループは不快な夢になったそうです。

そもそも寝てる間に腐ったたまごのにおいを嗅がせるだなんて...笑
とも思いますが、実験なので仕方ないですね(笑)

ただ、この研究では個人差に着目していなかったということで、今回このような研究をしたそうです。
要するにバラの香りを嗅いだグループの中にも、バラの香りを好きな人もいるだろうし、逆に好きではない人もいるということです。

今回はバラのにおいを好きなグループと嫌いなグループに分けてから、特殊な実験装置を使って研究しました。
においの研究は睡眠中に提示しても覚醒を引き起こさないため、睡眠研究に最適なようです。

この結果が面白く、1年前に阿部先生にこういう研究してますと言われたのでとても覚えています。

実はこの研究では、バラのにおいを好きと答えたグループが夢が不快になったという結果になりました。

めちゃくちゃ意外!!!

においの好き嫌いは、そのにおいを良く知っているかどうかや、そのにおいに伴った経験などが関連しているようで、そのあたりも今後研究されていくようです。

なぜ好きなにおいが不快な夢に繋がる可能性があるのか。

これはなんらかの影響によって好きなにおいが、REM睡眠中に扁桃体を賦活させたことが考えられるようです。

この扁桃体という脳の部分が活発になると、不快な夢に感じ、好きなにおいがこの扁桃体を刺激している可能性があるということです。

面白い。

アロマの専門的な方はこの研究によってダメージを受けているのではないでしょうか。笑
まさか好きなにおいで夢が不快になる可能性があるとは...

いろんな研究によって、今までは当たり前だと思われていたことが変わる可能性も十分にありますね。香りのプロフェッショナルが睡眠を絡めるときには注意が必要ですし、またほかの観点から眠りに良い香りなどを提案してもらえると良いですね。

この一般演題の発表の最後にありましたが、今後快い夢を見るためのにおい提示なども研究によってはでてくるのかなと思います。

悪夢に悩まされている方なんかは期待していいんじゃないかなと思います!

このREM睡眠とにおいの着眼点と、仮説を裏切るような結果が面白かったので取り上げさせていただきました!

一般演題で他にも取り上げていますので、よろしければそちらもご覧ください!

OfficeS4S 代表
睡眠指導者 松本

朝型・夜型と、サッカーに大切な空間認知機能について~(日本睡眠学会第46回定期学術集会一般演題より)

カテゴリーお知らせブログ睡眠

2021/10/02

みなさんこんにちは!アスリートやプロスポーツ選手を目指す学生中心に睡眠指導および睡眠管理をしておりますOfficeS4S代表の松本光浩と申します。最近では事業拡大からの法人化を目標として、スポーツだけでなくさまざまな睡眠に関連する課題への取り組みを行なっています。

今回も日本睡眠学会定期学術集会の一般演題より、面白い内容を投稿します。
こちらは、ちょうど1年前くらいに初めてお会いさせていただきました、早稲田大学睡眠研究所の西多先生の発表で、Mental Rotation Performanceのクロノタイプ別における日内変動という演題です。

Mental Rotation Task(以下:MRT)とは、空間認知機能を評価する心理課題の一つで、俯瞰的視点も評価できると知られている課題です。

この俯瞰的視点はサッカーにとても大切ですよね。俯瞰力という言葉もあり、ピッチを上から見下ろしてみているように、俯瞰的に見ることのできる力のことを意味します。

もちろんサッカー以外のスポーツにも、この俯瞰的に見る力は大切ですが、西多先生もサッカーには大切とおっしゃっていましたし、僕自身がサッカーをしてきたこともありますので、「サッカーに大切!」と今回は表現させていただきます。

この空間認知機能は注意や覚醒度の影響を受けます。眠ければこの機能は低下するということですね。

もうひとつ、「クロノタイプ」というものがあり、朝型・夜型など、自分が覚醒度の高い時間のタイプの事を示し、朝型は朝にパフォーマンスを発揮することができ、夜型は夜にパフォーマンスが発揮できるというものです。

クロノタイプを評価する方法は、朝型夜型質問紙などが挙げられます。この研究ではまずはクロノタイプを明らかにした後に、朝型・夜型に分け朝の8時と夜の8時の2回に分けて、それぞれ課題を行なった研究です。

この課題(空間認知機能を評価する課題)を、正答数と反応速度の観点から、クロノタイプごとに考察しています。

結果を事細かに書いていこうと思ったのですが(厳密には一度書いたのですが)、少しわかりづらかったので、簡単に書いて考察と自分の感想を述べたいと思います。(笑)

■正当数
朝と夜に有意差はなかった。
朝に行なう試験は夜型の結果が悪かった。
夜に行なう試験は両方結果が良かった。

■反応速度
クロノタイプ別ではっきりと出ている
朝型は朝早く、夜型は夜に反応速度は速かった。

■考察
MRTはクロノタイプの影響を受け、日中に変化する可能性がある。
夜のパフォーマンス上昇は夜型の方が大きい。
=夜型の方がMRTにおいてクロノタイプの影響を受けやすいことを示唆している。

■まとめ
俯瞰力・空間認知機能を使うサッカーをはじめとするスポーツは、クロノタイプを考慮する必要性がある。

という感じです!

実は僕がはじめて感銘を受けたスリープコーチの本📚があるのですが
そこではサッカーのPK戦をたとえに出してクロノタイプについて説明していました。

簡単に説明すると、ナイターゲームのPK戦のキッカーを選ぶシーン。普段真面目に練習に取り組んでいて、人間性も信頼できるが、今日のゲームはあまり調子がよくない選手、一方は普段から真面目な態度は見えず、あまり信頼することはできないが、このゲームは調子が良い選手。

このどちらにPKを蹴らせるかという例で、前者を選んだ監督のチームは負けてしまったというようなオチです。
つまり前者は朝型で、午前中にパフォーマンスを最大限に発揮でき、後者は夜型で、普段こそいまいちなものの、夜にはパフォーマンスが最大限に発揮できるということです。

ちなみにその本です。もう買ってから5年以上経ちますが、いまだに読むことがあります。


朝型夜型は遺伝子的要因と環境的要因によって決まります。
朝型と夜型を考慮して適した時間にパフォーマンスを最大限に発揮できることがわかったいても、意外とこれって現場に応用するのが難しい気がします。

サッカーは割と、Jリーグまでいけばナイトゲームも出てきて、それによって選手をチョイスしたり、上手くクロノタイプを活かしてローテーションするなんてのは良いんじゃないかなと思いますが、それだけを考慮してメンバーを組むって監督からすると、そんな簡単な話ではないですよね。

でも、頭に入れておく分にはいいんじゃないかなと思います。

一度朝型夜型質問紙を実施してみて、選手のクロノタイプを把握することで
それを采配に応用することはなくても、パフォーマンスや評価の指標にはなるのではないかと思います!

このあたりの研究って面白いですね!本当はもっと細かく勉強して伝えたいのですが長すぎるのでここまでにします!

いつか投稿頻度など気にせず長々とみていただけることがあればこのあたりを深堀したいと思います!

OfficeS4S 代表
睡眠指導者 松本

10月になりました!寝具開発も順調!サンプル到着次第撮影開始!

カテゴリーお知らせブログ睡眠

2021/10/01

みなさんこんにちは!アスリートやプロスポーツ選手を目指す学生中心に睡眠指導および睡眠管理をしておりますOfficeS4S代表の松本光浩と申します。最近では事業拡大からの法人化を目標として、スポーツだけでなくさまざまな睡眠に関連する課題への取り組みを行なっています。

はい!10月になりました!!!

今月も引き続き、睡眠についてどんどん投稿していきたいと思います!
日本睡眠学会の定期学術集会も、ネタの宝庫ですので、いろんな内容を書けたらと思います!

さて、以前寝具開発をこちらで発表しました!

進捗としましては、寝具の素材を少しだけ変更し、再度サンプルを取り寄せています。
マクアケにて発表をするので、ページ作成や商品撮影のためのスケジュール段取りなど、裏の作業を進めています!

今回開発した寝具について、先日投稿したこの「アスリートは睡眠の質が悪い?」でもお話しましたが、睡眠と体温は切っても切れない関係です。

今回開発した寝具は、「睡眠と温度」をとてつもなく意識した商品になってます!


商品紹介まで今しばらくお待ちください!!

OfficeS4S 代表
睡眠指導者 松本