【高校サッカー選手の睡眠改善は反応時間や心理面を向上させる?】(日本睡眠学会第46回定期学術集会一般演題より)
カテゴリー: お知らせブログ睡眠
2021/10/08
みなさんこんにちは!アスリートやプロスポーツ選手を目指す学生中心に睡眠指導および睡眠管理をしておりますOfficeS4S代表の松本光浩と申します。最近では事業拡大からの法人化を目標として、スポーツだけでなくさまざまな睡眠に関連する課題への取り組みを行なっています。
今回も日本睡眠学会定期学術集会からです!
ここ数日大学生を対象として研究をいくつか挙げている中ですが、今回は高校生を対象とした研究です!
高校サッカー部の選手に対して、睡眠改善がどう影響するのかというもの(高校名は非公表でした)
ちなみに題目は
「睡眠の改善が高校サッカー選手の単純反応時間の短縮及び心理面を向上させるか」
反応時間とは情報処理能力の指標としてとても有効なものです。
情報処理能力はサッカーに限らず、スポーツでとても大切ですよね!
以前大学生を対象としたスポーツ(主にサッカー)の能力を評価するものにも取り上げているので、そちらもご覧ください!
反応時間においては、先行研究で
3時間睡眠より7時間睡眠、7時間睡眠より10時間睡眠と、睡眠時間が増えることで早くなるということが出ています。
また、心理的負荷が大きいほど、反応時間の平均値、最大値が遅延するという結果が出ています。
今回の研究では20名が対象となり、3週間を用いて高校サッカー部で実験しました。たしか睡眠負債は大学生の場合ですが、3週間では足りなかったという考察が・・・(その研究はこちらから↓)
睡眠改善することにより、落ち込み気分などを評価する得点の改善が見られました。反応時間も短縮の傾向が見られたようです(睡眠改善して逆にパフォーマンスがよくならなかったらどうなるのか...笑)
考察では、高校生(サッカー部)において、睡眠介入は覚醒状態の向上および、注意機能向上を図ることができ、単純反応時間の改善につながる。
その結果スポーツパフォーマンスが上がり、試合に勝つことができる!
とのことです。
睡眠トレーニングの重要性という単語が最後のスライドに出てきたのですが、僕の見解からすると、わざわざ睡眠をトレーニングすることは必要ないかなと感じます。
この研究も、睡眠介入や睡眠改善が具体的にどのようなものか提示されていなかったのですが、睡眠をよくするために、トレーニングと呼ぶような負荷をかけるものを実施するのは、不眠症状のある方であったり、何かしらに問題を抱えていて、少しの改善では満足のいく睡眠がとれない方のみで十分だと思います。
高校生のサッカー部に必要だと感じるのは
・睡眠時間の延長
・睡眠環境の改善
・適切な時間の食事摂取
・適切な時間の入浴
・睡眠習慣の整備(寝る前の電子機器制限)
これくらいで十分です。というか、これができるところも少ないと思います。
まぁ、おそらく今回の睡眠改善も最後の項目の電子機器制限あたりは入っているんじゃないかなと思いますが、このあたりをしっかりと教育することがとても大切になります。
あとはスマホの楽しみに、睡眠の重要性が勝てるかどうかです。
サッカーが上手くなるより、YouTube見てた方が面白いと思っていたら、睡眠改善はできません。
どれくらい睡眠が大切で、寝る前のスマホをやめることでどれだけサッカーの上達に近づくのか、それをどのように育成年代に伝え、納得させることができるのかが、今後大切になってくると思います!
他にも一般演題から記事を投稿しているのでぜひご覧ください!
OfficeS4S 代表
睡眠指導者 松本