【「アスリートは睡眠の質が悪い?」筋肉量から考える客観的睡眠の質の評価~(日本睡眠学会第46回定期学術集会一般演題より)

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2021/09/30

みなさんこんにちは!アスリートやプロスポーツ選手を目指す学生中心に睡眠指導および睡眠管理をしておりますOfficeS4S代表の松本光浩と申します。最近では事業拡大からの法人化を目標として、スポーツだけでなくさまざまな睡眠に関連する課題への取り組みを行なっています。

9/23-9/24で福岡国際会議場・福岡サンパレスホテル&ホールにて、日本睡眠学会第46回定期学術集会が開催されました。

当日は福岡まで足を運べなかったのですが、オンデマンドや一般演題はその後の視聴が可能ですので、いろんな方の研究や発表を聞くことができています。

興味深い内容をわかりやすくまとめたうえで、私見も踏まえて投稿していきたいと思います!

今回はアスリートと睡眠の質という題目で筋肉量から着目した研究です。
「アスリートは睡眠の質が悪い?」というお話です。

ちなみに睡眠の質とは?みたいな内容をこちらの記事にしてます!↓

今回の睡眠の質は、最初の睡眠段階でのN3(ノンレム睡眠ステージ3=深い睡眠)の割合を指しています。

N3体力回復に寄与する「成長ホルモン」が最も分泌されると言われていて、アスリートの睡眠の質を評価するうえでは大切なポイントになっています。

よく寝具の広告や睡眠サプリの決め文句で「最初の3時間が睡眠で大切です」といわれるのはそこから来ています。

研究内容は、インボディを使って体組成測定をしてから、睡眠の質を簡易脳波計を用いて計測し、アスリートの身体と深い睡眠の割合はどのように関わっているのかについて明らかにするようなものです。

一般の方からすると、「アスリートって身体を動かす分よく眠れるイメージ」があると思うんですけど、実は身体的な面から見ても精神的な面から見ても、そんなことないんですよね。

この研究では男女のアスリートを対象にしていますが、その中での性差(男女での差)の有意差は認められませんでした。被験者全体を比較して、男性の方が高身長・高体重・そして筋肉量が多いのに対して、女性は脂肪率・体脂肪率が多いというところから、性差ではなくこの筋肉量の違いにフォーカスしています

結果は女性(筋肉量が少ない)の方が以下のような睡眠の質の良さがありました。
・睡眠効率の上昇
・覚醒反応指数
・レム睡眠時間の延長

また、最初の睡眠段階でのN3(ノンレム睡眠の徐波睡眠)は女性アスリートの方が多かったという結果が出ました。

ここから体組成と最初のN3の割合と関係を考察すると以下のようなことが考えられます。

・筋肉量が多いと、最初のノンレム睡眠の徐波睡眠の割合が下がる
・脂肪量が多いと、最初のノンレム睡眠の徐波睡眠の割合が上がる

これはどういうことなのか?

考えられるのは筋肉量が、深部体温の低下しにくくさせている
ということです。

筋肉量は断熱材の役割を果たし、熱生産が高いです。
つまり筋肉量が多いほど、熱をしっかりと作れるということです。

すると、身体表面からの熱放射が低下し、深部体温の急激な低下ができず、スムーズな入眠ができないのです!という考察です。

深部体温の急激な低下は睡眠を誘発させます。深部体温を一気に上昇させることで、その反動で深部体温が急激に低下し、入眠ができるということで、寝る1-2時間前に深部体温を上昇させる入浴が良いとされています。

男性のほうが筋肉の面からすると、睡眠の質が悪く、
体温調節に影響する筋肉が、性差よりは大事ということです。

今後の課題としては、この筋肉量を考慮して、睡眠の介入方法を考える必要があります。

なかなかアスリートのように、睡眠を一般の方より欲していることを考えると結構難しいもんだいですよね。ですが、様々な方面からアプローチはすることが可能だと思いますので、特にアスリートとのつながりが深い僕は、この体組成と睡眠についてより知見を深めていきたいと思いました!

OfficeS4S 代表
睡眠指導者 松本