【好きなにおいで悪夢を見る?!】REM睡眠と匂いの好き嫌いについて(日本睡眠学会第46回定期学術集会一般演題より)

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2021/10/03

みなさんこんにちは!アスリートやプロスポーツ選手を目指す学生中心に睡眠指導および睡眠管理をしておりますOfficeS4S代表の松本光浩と申します。最近では事業拡大からの法人化を目標として、スポーツだけでなくさまざまな睡眠に関連する課題への取り組みを行なっています。

今回も日本睡眠学会第46回定期学術集会一般演題より、面白そうな研究を紹介します!
この研究は筑波大学の研究です。この研究自体は実は一年前に筑波大学の阿部先生からお話を少し聞いたいたので、すんなりと頭に入ってきた面白い研究です。

REM睡眠中の嗅覚刺激呈示による夢への効果―嗅覚刺激の感じ方の個人差に着目した検討―という題目ですが、もっとわかりやすくすると

「好きなにおいと嫌いなにおいで、夢がどう変わるの?」
ということです。

先行研究だと、バラの香りをレム睡眠中に嗅いだグループは夢が心地よいものとなり、腐った卵のにおいを嗅いだグループは不快な夢になったそうです。

そもそも寝てる間に腐ったたまごのにおいを嗅がせるだなんて...笑
とも思いますが、実験なので仕方ないですね(笑)

ただ、この研究では個人差に着目していなかったということで、今回このような研究をしたそうです。
要するにバラの香りを嗅いだグループの中にも、バラの香りを好きな人もいるだろうし、逆に好きではない人もいるということです。

今回はバラのにおいを好きなグループと嫌いなグループに分けてから、特殊な実験装置を使って研究しました。
においの研究は睡眠中に提示しても覚醒を引き起こさないため、睡眠研究に最適なようです。

この結果が面白く、1年前に阿部先生にこういう研究してますと言われたのでとても覚えています。

実はこの研究では、バラのにおいを好きと答えたグループが夢が不快になったという結果になりました。

めちゃくちゃ意外!!!

においの好き嫌いは、そのにおいを良く知っているかどうかや、そのにおいに伴った経験などが関連しているようで、そのあたりも今後研究されていくようです。

なぜ好きなにおいが不快な夢に繋がる可能性があるのか。

これはなんらかの影響によって好きなにおいが、REM睡眠中に扁桃体を賦活させたことが考えられるようです。

この扁桃体という脳の部分が活発になると、不快な夢に感じ、好きなにおいがこの扁桃体を刺激している可能性があるということです。

面白い。

アロマの専門的な方はこの研究によってダメージを受けているのではないでしょうか。笑
まさか好きなにおいで夢が不快になる可能性があるとは...

いろんな研究によって、今までは当たり前だと思われていたことが変わる可能性も十分にありますね。香りのプロフェッショナルが睡眠を絡めるときには注意が必要ですし、またほかの観点から眠りに良い香りなどを提案してもらえると良いですね。

この一般演題の発表の最後にありましたが、今後快い夢を見るためのにおい提示なども研究によってはでてくるのかなと思います。

悪夢に悩まされている方なんかは期待していいんじゃないかなと思います!

このREM睡眠とにおいの着眼点と、仮説を裏切るような結果が面白かったので取り上げさせていただきました!

一般演題で他にも取り上げていますので、よろしければそちらもご覧ください!

OfficeS4S 代表
睡眠指導者 松本