大学生の食事と睡眠の関係性の調査から感じる事(日本睡眠学会第46回定期学術集会一般演題より)

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2021/10/04

みなさんこんにちは!アスリートやプロスポーツ選手を目指す学生中心に睡眠指導および睡眠管理をしておりますOfficeS4S代表の松本光浩と申します。最近では事業拡大からの法人化を目標として、スポーツだけでなくさまざまな睡眠に関連する課題への取り組みを行なっています。

本日も日本睡眠学会第46回定期学術集会の一般演題の内容から投稿させていただきます!

今回は「大学生×食事×睡眠」

まず、前置きとして睡眠で休息がとれていないと感じる方が20%を超えています。
日本では5人に1人は睡眠に不満を抱えていると言われています。

有名なところでは、先進国の中で日本が一番睡眠時間が短いと言われています。
今回の調査対象は大学生で、大学生における身体的・精神的・社会的な健康度は学の単位の取得にも関わってきます。

また食事に関する調査については、3割弱の方が朝食をほとんど食べないと回答しました。

欠食の理由は「もっと寝ていたい」が多かったようです。

また栄養面に関しては6割近くの方が栄養を気にしていないという回答でした。

調査結果

大学生において、男女ともにタンパク質・ミネラル・ビタミンが足りていないのに対して、脂質は高いことがわかりました。

食事の結果は季節を問わずでした。

今回の研究は睡眠調査を2つ実施していて
PSQIとOSA-MAというものでしたが、とても簡素に説明すると

客観的に睡眠を評価=PSQI
主観的に睡眠を評価=OSA-MA

と今回は覚えておいてください。

その睡眠調査と食事の結果を比較したところ
客観的な指標に関しては、睡眠に問題がある方が、炭水化物やエネルギーの摂取量が多く、摂取量が多いのが睡眠状態を悪くする可能性が考えられたのに対して

主観的な調査だとその逆の、エネルギー摂取量が多い方が熟眠感が得られている可能性が示唆されました。

男子は今回は有意差が見られず、性差があるのかが今後の検討です。

この調査を通して注目したいポイントは単純に「大学生」というポイントです。
僕が睡眠に興味を持ったのも大学生ですし、その理由のひとつとして、自分も睡眠を蔑ろにしてきたからということが挙げられます。

というより、何か睡眠障害を抱えない限り、大学生という状況下で睡眠についてしっかりと考えよう。と思う方がこのご時世難しいのではないかなと思います。

大学生は本来、専門的に学問に対する知見を深める場所だと思いますが、なかなかその志を持って進学をする人は少ないのではないかなと思います。(もちろんしっかりしている方も多いですので、あくまでも僕が育った環境では・・・と解釈していただければ幸いです・・・)

サークル・部活・授業に加えてアルバイトを始める人も多いでしょう。
時間に融通が利き、「睡眠」どころではないのではないでしょうか。

この認識をどうにか変えていくのが僕の仕事だと思いますし、高校までにある程度の睡眠衛生学の知識は教育していかなければいけないと思っています。

さて、今回の食事との関係性の研究ですが、ここに関しては難しいことを考える必要はないのかなと思っています。

主観的な評価と客観的な評価が違えど、身体にいいものを食べて睡眠に悪影響を及ぼすことはないと思っているからです。

睡眠・運動・栄養の3項目の中で一番僕の知識が少ないのはおそらく栄養だと思います。それも理由があり、わざわざ僕が栄養に詳しい必要はないと感じるからです。もちろん一般の方よりは専門的な領域で学んでいますし、大学でも当時はトレーナーとしても働いていたので、ある程度はありますが、睡眠の勉強をしていく中で、「睡眠にいい食べ物=からだにいいもの」がほとんどだったからです。

ファストフードのハンバーガーが良質な睡眠のかぎともなれば話は変わってきますが、そんなわけないのです。笑

性差の検討なども大切ですが、まずは睡眠衛生の知識をしっかりと教育して
いろんなことに時間を使ってしまい、「朝もっと寝たいから朝食を欠食する」という3割の方の意識を変える方が急務なのではと感じています。

その他日本睡眠学会定期学術集会による投稿はこちらからご覧ください!

OfficeS4S 代表
睡眠指導者 松本