コロナ禍にが大学生に及ぼした睡眠変化とは?大学のリモート授業による行動制限からみる睡眠の質の変化(日本睡眠学会第46回定期学術集会一般演題より)

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2021/10/12

みなさんこんにちは!アスリートやプロスポーツ選手を目指す学生中心に睡眠指導および睡眠管理をしておりますOfficeS4S代表の松本光浩と申します。最近では事業拡大からの法人化を目標として、スポーツだけでなくさまざまな睡眠に関連する課題への取り組みを行なっています。

今回も日本睡眠学会定期学術集会から!

最近は多いですが、大学生を対象とした研究です!
題目は、「行動制限によって引き起こされる大学生の睡眠の変化に不安,孤独感が与える影響

先日、緊急事態宣言が解除され、現状リバウンドはなく、ワクチン接種も普及していることから、今後の動向と睡眠状態の変化も気になる所ですが、今回はコロナ禍によって余儀なくされた行動制限が、睡眠にどのような影響を及ぼしたのかの研究になります。

まず、今回の外出自粛などの不安は睡眠の質にどのような影響を及ぼすのかという点ですが、先行研究では、「良くなった」とされる研究と「悪くなった」とされる研究があります。

何度か僕も取り上げたり言及したことがありましたが、睡眠時間が延びたという点は良いことだし、日中の活動量が減ったのは睡眠からすると良くない事です。

大学生は講義がオンライン化するなど、生活様式に変化が出てきました。
先行研究ではどちらの効果も考えられたので、今回の睡眠評価は「変化」としてとらえて研究されています。

その他先行研究から不安や孤独を感じやすい人は、睡眠の質が変化しやすいという仮説のもと、Googleフォームなどを用いてアンケートをとって行われました!
この中で不安や孤独感についてもアンケートをとっています。

今回の結果は緊急事態宣言が発令されていた5月と12月の結果が提示され比較されています。
5月の睡眠時間の平均は7時間49分、一方12月の睡眠時間の平均は7時間20分

自粛の意識は5月の方が高いという結果に。(理由は自身の感染対策など様々でした)

睡眠の質自体は、良くなっているという結果に。
睡眠時間が長く、日中の意識が困難なことが少ないという結果が得られました。

睡眠そのものだけでなく、この「日中の意識」もしっかりと調査することが睡眠の評価には大切になります。

行動制限外の外出自粛の意識は、外出自粛の理由がそれぞれ異なることもあり、睡眠の質への影響は見られませんでした。

ストレスがかかる特異な生活環境や、自然災害などにおいて、不安特性が高い人は不眠や睡眠問題などが起こる可能性があるため、アプローチに注意が必要との考察です。

このストレスがかかる特異な生活環境は、割と幅広く当てはまってしまうのでは?と感じました。
特にスポーツ選手は試合やハードな練習が、身体的負荷に加えて過度な精神的ストレスに繋がることもあります。

そこを配慮したアプローチや対策が今後必要になってくるなと個人的には感じました。

この投稿の他にも、日本睡眠学会定期学術集会一般演題からの内容を投稿していますので、ぜひご覧ください!

OfficeS4S 代表
睡眠指導者 松本